韓国AI相場の異常な強さ
日経平均株価は、5月13日に63,000円台をつけ年初来20%前後上昇しています。
ところが、お隣の韓国株価指数KOSPIは、率にして60%以上と驚異的な上昇です。
この株価上昇を牽引しているのは、韓国は半導体、日本は半導体+商社+銀行、
米国は巨大AIプラットフォーム と言ったところです。
韓国は、サムスン1社で株価指数KOSPIの約20%を占め、株価は1年で約5倍に伸び
時価総額が1兆ドル(約157兆円)を上回ったとのことです。
サムスンの時価総額は、日本企業の上位4~5社分くらいに匹敵します。
韓国は国別の株式時価総額を見ても、
25年末までは世界の国・地域でトップ10圏外でしたが、
今年に入りドイツや英国、カナダを抜き、直近で一時6位に浮上したようです。
サムスン電子、SKハイニックス等「AI覇権企業への集中」
で驚異的な時価総額の伸びです。
強いAI相場の裏で
これだけ高値更新が続き株高なら、
さぞや国民も恩恵を受け喜んでいるのではと羨ましく思うのですが、
どうもそう単純ではないようです。
「株式投資のもうけに課税せよ」。
14日、ソウルで市民団体のデモがありました。
また、サムスンの一部労組は報酬制度の見直しを求めて、
5月下旬からストライキに入ると予告しているそうです。
背景には、利益の還元には濃淡があり、
サムスン創業家一族が持つ株式資産が100兆ウォン(約10兆円)
を超えたと推定される一方、
小口の個人株主や従業員、関連企業などは相対的に利潤が少ない。
そこへ、政府高官の「AI利益の一部を『国民配当』として再分配すべき」
との発言を受け、株価は一時急落しました。
なぜ、株価が急落したのか。
・ポピュリズム的発言だ
・共産主義の配給経済
・従業員より株主を優先するべきだ
・再分配しすぎると、そもそも果実が生まれなくなる
半導体企業を巡るステークホルダー(利害関係者)の思惑が交差します。
・株主は、企業の利益は株主に還元すべき
・従業員は、業績に見合った賃上げ待遇改善を要求
・経営サイドは、設備投資、技術開発の資金確保、過度な分配は成長阻害の懸念
・政府サイドは、再配分による社会全体の底上げを志向
そして、「市場は評論家ではなく、値段をつける商人」で、相場を作ります。
AI時代の資本主義
政府発言者は、株価急落を受けて「個別企業の超過利益ではなく、
政府の超過税収をどう活用するかという話だ」と釈明したようです。
韓国は、「国家全体が強い」というよりも、AI半導体企業への集中で、
一部の企業や大株主のみが恩恵を受ける一方で、
一般の労働者との間に格差が広がりやすい構造で、
AI時代には「K字型の格差が拡大する」
という不公平感を訴える声が強まっているようです。
“AIそのものの脅威” だけではなく、
AIが及ぼす経済の不均衡、AIに強い企業、強い人材、
巨大資本に利益が集中する「勝者総取り」となるのでしょうか。
「AI時代はK字型(持てる者と持たざる者の差開いて行く)に格差が拡大する」のか。
近い将来、AIによって多くの仕事やシステム、
研究開発のありようなどが変革すると思われます。
浮いた時間や労力を「人」が享受できるなら歓迎なはずです。
AIにより集約された仕事や人員を、社会はどう吸収していくのか。
誰が果実を得られるのか。どこにしわ寄せがいくのか。
「AI利益は誰のものか」
これは韓国だけの問題ではなく、各国共通の課題ではないでしょうか 。
「AIによって、社会のルールそのものが変わりつつある 」ように思われます。
再配分は、本当に難しいのか。
私たち人間は、その利益をどう分け合い、どう共存していくのか。
人間とAIとの適切な関係、悩ましい、難しい。