SKハイニックス7,000万円、サムスン6,000万円、TSMCは純利益のおよそ12%相当を支給。
韓国、台湾の半導体企業の夏のボーナスです。
日本企業のボーナス支給額トップは、半導体製造装置メーカー ディスコの527万円。
時価総額で日本企業のトップになったキオクシアが30位までに入っていません。
キオクシアはボーナスではなく、ストックオプション制度を導入していて、
付与されたおよそ600人の従業員は1人当たり10億円超の価値を手にするとのこと。
サラリーマンの生涯年収が2億円とも3億円と言われる中で、
役員だけでなく(一部の)従業員も10億円!。「賞与」ですよね。
何とも羨ましい話で、日韓ともAI半導体企業の稼ぎの凄さに驚くばかりです。
AI特需に沸く半導体企業は、まさに“我が世の春”といったところでしょうか。
半導体企業は絶好調ですが、同時に高すぎる株価やPERにバブルの懸念や、
AI向け投資が先行しすぎて、収益化が追いつかないリスクも指摘されています。
“我が世の春”がどこまで続くのか、“熱すぎる春”を心配する兆しも出てきています。
AIが生む格差
半導体企業の高業績は “AI特需” によるものです。
気がかりは、この好調は今年だけにしても、
余りにも一部のAI半導体企業だけが潤い、
企業間だけではなく社内でも格差が生じ、
例えばサムスン電子でも半導体部門の従業員と
その他の従業員で所得格差が生まれていることです。
AIは「あらゆる産業の頭脳」になるため、
利益が一部企業へ極端に集中しやすい傾向とのこと。
AI半導体に利益が偏在することは、
社会全体にはどんな影響を及ぼすのか。
・賃金格差(業種間や社内でも)
・労働市場の偏在(職業選択の集中)
・国や地域経済の二極化(AIに代替されやすい仕事では、賃金が上がりにくい)
AIが“新しい格差”を生むという指摘が増えています。
AIの利益は誰のものか
AIが生み出した利益は、一部の企業だけのものでしょうか。
株主でしょうか。それとも社会全体でしょうか。
実は今、この議論が世界で始まっています。
OpenAI は、AI企業が資金を拠出して、
「金融市場に投資していない人を含む国民全体にAIが主導する
経済成長への参加機会を提供する政府系ファンド」を提案しています。
モデルとしたのは「アラスカ永久基金」、
アラスカ州では石油収入の一部を基金として運用し、
その運用益の一部を州民へ配当として還元しています。
石油がもたらす利益は、州民全体が等しく享受すべきとの考えです。
では、AIという新しい資源でも同じことはできないものか。
主要AI企業が毎年数兆円の利益を生み出せば、
その恩恵は最終的には株主に還元されます。
これまでは頑張って働けば所得が増えました。
けれど、AI時代では「労働所得」だけでなく
「資本所得」が益々重要になってきます。
AI時代は、個人の努力やリスキリングだけでは所得格差は埋まりません。
ならば、ここは社会全体、政治の問題かもしれません。
OpenAI が提言するようにAIが生み出した利益の一部を
公共の仕組みで共有することはいずれ来る必然のように思われます。
「大手AI企業に対し、株式の50%を連邦政府に拠出させる。」
民主党のバーニー・サンダース議員が
公的資産ファンド創設を義務付ける法案を提出しました。
政府が受け取った収益は医療、教育、住宅に充当される。とのことです。
政府主導で “全ての国民がAI半導体企業の株主になる。 ”
米国では、公的なAIの富の分配を巡る議論の第1歩が始まったようです。
さて、私たちはAIという「資本所得」を持つことができるのか。
押し寄せるAI時代の波、「働く力」に加え、
同時に一人ひとりが少しでも「資本を持つ力」を育てる。
NISAや確定拠出年金(DC・iDeCo)で
世界の成長企業に投資することは、その第一歩となります。