インフレって、何?
そろそろ今年の重大ニュースが話題になる頃です。
皆様は、どんなニュースを挙げられますか。
私の重大ニュースのトップは「物価上昇40年ぶり3.6%」です。
刺さったのは、40年ぶりです。
40年ぶりの物価上昇です。
40年前、給料は右肩上がりで、
普通に働いてさえいれば、お金の心配なんていらない。
多くの若者は社会保険、年金に感心なんてなかった。
40年前は物価も上がりましたが、
給料も上がった成長の時代でした。
「Japan as No1」と言われた時代。
今の日本人にとっては、インフレって何?
なのでしょう。
1980年からの36年で見ると、
インフレ率は中国4.9%、韓国4.3%、
米国3.0%、ドイツ2.0%、
日本0.8%です。
日本だけが長期的に物価が横ばいの
デフレ状態です。
3%は心地良いインフレ、経済を好循環させるには最低でも2%程度の緩やかなインフレが不可欠と言われ、
日銀の目標インフレ率も2%です。
40年ぶりの物価上昇は、
賃金の上昇を伴わないとても心配な上昇です。
何故、日本だけ賃金が上がらないのか。
低成長、低物価、低金利の
失われた30年と言われる時代が続くのか。
・生産年齢人口の減少
・民間の消費や投資の弱さ
・デジタル化の遅れ
等々言われておりますが、
デフレの状況下で生活する個人が、
出来ることは何かを考えてしまいます。
節約よりは、
日本の物価上昇率は、今のところ欧米より緩やかですが、
コストプッシュ型と言われる原材料高や円安による輸入価格の上昇による
インフレが続くとみられています。
経済成長を伴う物価上昇でなければ悪いインフレです。
賃金が上がらないまま、物価だけが上がれば、家計は節約でしょうか。
そうなると、デフレ圧力がまたまた強まり
全体としては「合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)」に陥りかねません。
*合成の誤謬とは、 個々のレベルでは正しい対応をしても、経済全体で見ると悪い結果をもたらしてしまうこと。
例えば、景気悪化に対応して企業が一斉に費用削減を行った場合、経済全般がさらに悪化し
ますます企業業績が落ち込みます。
また、大多数の個人が消費を節約して貯蓄に励むと、景気が悪くなってその人の給料が減り、
貯蓄を取り崩すことにつながりかねません。
デフレを克服しない限り、経済は成長しません。
個人で出来ることは、節約ではなく「労働力の提供」と「投資」です。
生産年齢人口の減少が成長を阻む要因のひとつであれば、
生産労働人口に数えられていない65歳以上の人に参加してもらう意義は大きいと思います。
「労働力の提供」は、国力の充実と経済発展の支えです。
現役時代のような働き方でなくても、短時間労働で十分です。
幸い、短時間労働者の賃金は上昇傾向だそうです。
時給1,200円で一日6時間働けば7,200円、15日働けば10万円以上です。
「お掃除のアルバイトでもしようかな。ジムに通うよりは長続きしそうだし。」
「銭湯の掃除とか、ないかな。」
趣味にお金がかかるという彼女は、その分だけでも働きたいとのこと。
経済成長は、
国の借金をインフレで目減りさせる効果もあります。
労働の提供は、世のため、人のため、自分のため、国のための貢献です。
個人の金融資産の半分以上が銀行預金です。
銀行預金の1%が投資に向かうだけでも大変な経済効果が生ずると言われます。
個人で出来るデフレ克服のもう一つは「投資」です。
確定拠出年金、NISAを通じての証券投資は、第1歩です。
リスクは、損をする、危険な事をする意味ではありません。正しく認識し恐れない。
政府が推奨している学び直し、リスキリングは自己投資の一環です。
自己のために時間とお金を投ずるも投資です。
要は、デフレを克服し、良いインフレを喚起し、
ミクロ(家計)もマクロ(社会全体)も良くなるには、
節約の均衡縮小よりも、一歩前へ、働くことと、効率の良い賢い投資だと信じています。
勿論、出来る範囲でです。