ウクライナ危機はパラダイムの変化

5月11日に、外交安全保障の専門家

参議院議員宇都隆史氏の

「ウクライナ戦争に学ぶ、日本のサバイバル戦略」と題する講演をお聞きしました。

 

宇都さんは元航空自衛官で、セミナー主催者のコムジェスト・アセットマネジメント株式会社高橋社長は、防衛大学校の先輩だそうです。

 

いつも忸怩たる思いでウクライナの惨状を見てはいるものの、喉元を過ぎればやはりよそ事に追いやってしまいます。

そんなのんき者に宇都議員の話しは響ました。

 

・成功体験は誤った状況認識を作り出す。

 ロシアはグルジア、クリミア侵略に成功以来、入念に今回の侵攻を計画。

 諜報員を投入し、ロシア寄りの住民を増やし、ロシアへの併合を醸成。

・ウクライナの準備、努力。

 2013年迄は徴兵制の廃止、兵力削減、兵器売却、(核開発)技術流失。

 2014年にクリミア半島を奪われて以来、「ロシアは絶対来る」の認識で

 平時からのインフラ強化、地下施設の要塞化など国土強靭化を図った。

ロシアの侵攻戦略は、侵略を意図するとき戦禍を交える前の常とう手段です。

8年越しのウクライナの備えは、

鎌倉時代の2度目の蒙古襲来、弘安の役に備えた鎌倉幕府を思い起こさせました。

ウクライナのサイバー戦は世界トップクラスで、戦禍でも(一時期を除き)停電なし、

インターネットも途切れない。

地下鉄は2重3重の防御からなり、迷宮のように入り組み、持久戦に耐えられるものとか。

翻って日本のサバイバル戦略です。

宇都氏は、外交上のサバイバルと防衛上のサバイバルについて話されました。

印象的だったのは、ウクライナ侵攻が分かった時点で、

北方領土付近で米軍・NATOとの合同演習が出来ていたなら、ロシアは思い留まったかもしれない。

抑止力とはそういうふうに使うもの。

ウクライナで起こっていることは、

今の時代当然と考えられていた物の見方や考え方が劇的に変化する

パラダイムシフトが起きていることを認識しなければならないようです。

日本に備えと、覚悟が問われる状況が来ないとは限らない。。。