ユニクロは高すぎて買えないので・・・

 個別株は高くて手が出ません

トヨタ、1~6月の世界販売過去最高 2年連続で世界首位

キーエンス、4~6月純利益最高益

ファナック、66%増益

上記以外でも、村田製作所 純利益14%増、オムロン 純利益2.1倍、

京セラ 純利益82%増、カプコンも、zozoも最高益です。

新聞を広げると4~6月期決算がずらりと並び、いずれも業績好調ですが、

株価は逆に下がっています。買われていないのです。

トヨタ自動車(株)は日本経済を牽引する筆頭会社で、時価総額は約33兆円です。

(時価総額とは、株価×発行済み株数で会社の規模や価値を示す指標)

(株)キーエンスは日本一給料が高い会社として知られる機械メーカーで、

時価総額はトヨタに次ぐ第2位で約15兆円です。

ファナックは山梨県忍野村に本社のある、工作機械、産業用ロボットで世界首位の会社。

いずれも、TOPIXや日経平均に影響を及ぼす上位銘柄です。

日経平均株価が、2月に30年ぶりに3万円台を回復したのち、7月末は10%近く下げたままです。

こんな好決算の企業の株が10%も下がったなら、〝買い時〟と思いませんか。

ところが、優良企業の株持ちたいな、と思ってもなかなか手が出ません。

世界シェアトップを争う優良企業の株価は、

トヨタ自動車 9,805円

キーエンス 60,740円

ファナック 24,380円 (2021年7月終値)

これは1株当たりの株価です。

日本の株は売買単位が100株単位と決められているので、この値段で買うことができないのです。

一株単価×100が売買単位です。

(10分の1単位や、一部の証券会社では1株からの売買が可能ですが、配当や株主権利はありません。)

つまり、

トヨタ自動車の株を買うとなると、

9,805円×100株で980,500円必要です。

キーエンスは、6,074,000円

ファナックは、2,438,000円となります。

 

 日本で一番高額な株は

日本で一番株価の高い会社はどこだと思いますか。

庶民の味方のあの会社、

ユニクロを展開する(株)ファーストリテイリングです。

一株73,920円ですから、いざ買うとなると7,392,000円必要になります。

 

冬になると20年近くユニクロのフリースを取り出しては、ひと冬過ごしてしまいます。

洗濯を繰り返してもファスナーが痛むでもなく風合いも変わりません。

本当に、こんなに着させてもらって申し訳ないくらいです。

こんないい製品を作る会社、応援したいなと、思いましたが私如きの応援はいらないようです。

株主構成を見ると、投資口信託銀行以外の大株主は創業者の柳井親子です。

(投資口信託銀行は、投資信託やGPIF等の資産委託を請負う信託銀行。)

株式分割でもない限り、700万円以上する株では、

とても個人が株主になれるような会社ではありません。

日本で個人株主が増えないのは、何も個人のマインドや、

金融リテラシーだけの問題とは思えません。

個人が個別株を持つには、購入単価が高過ぎるのです。

因みに、米国株なら1株単位で売買できます。

時価総額世界一の会社、アップルの株価は145$位ですから、

日本円で16,000円あれば株主になれます。

アマゾンの株は米株の中では高い方で、株式分割を望む声が多いのですが、

現状3,600$位、日本円で約39万円です。

米株なら1万円でも買える! と言うことで、個人投資家は日本をパスして、米株に向かっています。

145$のアップルの株が100ドルに下がっても、すぐに買い増しができますよね。

でも、日本株のように100万円以上する株価が20%下がっても

すぐに買える個人はどのくらいいるのでしょう。

ユニクロの株は高くて買えないので・・・

 

 日本株は、投資信託で持つしかありません

そこで、投資信託の出番です。

トヨタも、キーエンス、ファナック、ファーストリテイリングの株もみんなまとめて買えるのが、

TOPIX、日経225の指数連動型の投資信託です。

投資信託なら、それこそネット証券では100円でも買うことができます。

TOPIXインデックス投資信託の中には、東証一部上場企業2000社以上の全銘柄が100円でも買えます。

日経225インデックス投資信託でも同じように、日本を代表する225社の株が100円で買うことができます。

ところで、ニュースでは、

今日の日経平均終値は、27,000円です。

TOPIX(東京株価指数)は、10ポイント下落の1900です。

と、言ってますよね。

TOPIXと日経225は、同じように日本株全体の動向や騰落を表しますが、

計算方法が異なります。

TOPIX(東証一部上場銘柄)は、 1968年1月4日のTOPIXを100ポイントとして

それ以降の時価総額を指数化して表した「時価総額加重平均型株価指数」です。

急に難しいことばが出てきましたが中身は簡単で、全体の中に占める割合に応じて按分するものです。

考え方としては、下の図のようになります。

TOPIX計算方法《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

銘柄数の多いTOPIXでは、トヨタのように33兆円の企業から、時価総額10億円に満たない企業まで様々です。

単純平均ではマーケット全体の動向を表しづらいですよね。

米国のS&P500やナスダック指数もTOPIX同様の加重平均方式です。

日経平均は、東証1部上場の中から日本経済新聞社が抽出した225社の株価の平均を算出した単純平均です。

A会社株価10,000円、B会社株価5,000円、C会社株価3,000円とすると、

3銘柄を足した18,000円を3で割って、平均株価は6,000円となります。

ニューヨークダウ工業指数も単純平均です

TOPIXは時価総額が大きいトヨタやキーエンス、ソニー、ソフトバンクグループの影響が大きく、

これらの会社の株価が下がると下げやすい。

日経平均は株価の高い銘柄(値嵩株(ねがさかぶ))の影響が大きく、ファーストリテイリング、

ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなど株価の高い銘柄の影響が大きくなります。

TOPIXと日経平均の違いをまとめると下の図のようになります。

TOPIX日経平均の違い《平賀ファイナンシャルサービシズ㈱》

確定拠出年金やNISAの、日本株投資信託の中に必ず入っている2つのインデックスファンドですが、

このような違いがあります。

どちらのインデックス指標を使うか迷われるかも知れませんが、

どちらにも一長一短があります。