楽器たちの記憶

「音楽朗読劇」初めて観ました。

ピアノ、ヴァイオリン、コントラバス、

それぞれの楽器の隣にはそれぞれの記憶を語る朗読者が付きます。

バイオリン(ストラディバリウス)は、ハンガリーでの戦禍の記憶を。

コントラバスは、ナチスの迫害から逃れるためにポーランドからイスラエルへ避難する際、

持ち主に置き去りにされ半分壊れた楽器の記憶。 

 

ピアノは、広島で原爆投下により19歳で亡くなった

河本明子さんのピアノ。

ガラス破片などの傷を負いながらも奇跡的に焼け残り、修復されました。 

「明子のピアノ」に涙しておりましたので、音楽朗読劇なんて、あるの?でした。

 

3つの楽器の記憶を独白するオムニバス劇です。

異なる場所で戦争をくぐり抜けた楽器たちは

持ち主の想いを記憶に留め、

人間よりも長い年月を生きています。

 

明子さんのアップライトピアノは広島から運ばれ、

最後にその音色を聴くことができました。

 

楽器たちは、演奏やメローディーを紡ぐのではなく、

「囁く」「怒り」「嘆きかも」音を出すだけ。

 記憶や歴史を背負った楽器の音だけが言葉以上に刺さります。

 

「楽器は、かつてあった場所や持ち主を記憶しつつ時間を超え歴史を繋いでいく。」

楽器にも記憶が宿るのだと、不思議な感覚に包まれた舞台でした。