原油は経済の血液
米国・イスラエルによるイラン攻撃に伴い、原油価格が高騰しています。
厄介なのは中東情勢で原油価格が上がると、影響が広範囲に及ぶことです。
原油は、精製されて多くの製品に生まれ変わります。
・ガソリン代は既に値上がり、政府は1リットルあたり30円程度の補助 。
・尿素や硫黄などの肥料も国際市況が高騰している。
・鉄筋コストや鉄鋼製品の国内価格が2年ぶりに上がった。
ナフサはあらゆる化学製品の原料です。
今後、洗剤・化粧品・医薬品等、身近な日用品も値上がりするのでしょうか。
・ハウスを暖める重油を多く使うため、
重油を入荷しないとトマトが作れない。
・今後電気代、ハウス栽培用のビニールの
値上がりも予想されます。
・ガソリン高騰による、流通コストの
値上がりが懸念されます。
石油製品の値上がり分が価格に転嫁されてくると、
消費者の生活に響いてきます。
原油価格の上昇は、あらゆるモノのコスト上昇に繋がります。
原油は“燃料”ではなく、“経済の血液”、 と言えます。
賃金が上がっても
日本は原油のほぼ全量を輸入に頼っており、原油高はせっかく落ち着いてきた
消費者物価指数CPIを押し上げ、実質賃金のプラス定着も崩しかねません。
実際に貰っている給与(名目賃金)は増えているものの、
そこから物価上昇分を差し引いた「実質賃金は、物価上昇に追いついていません。」
上図は26年1月までの推移ですが、今後は予断ができません。
更に、円安は輸入物価の上昇に拍車をかけます。
原油高に円安が加わり、せっかく給料が上がっても、
“生活のあらゆるコストがじわじわ上がり使えるお金が減る” ことになるのでしょうか。
株価にも影響ありですが
2月28日にイラン攻撃が始まり1か月ですが、日経平均もS&P500も乱高下し、
値下がりしています。
実質賃金が伸びない時代は、預貯金では目減りしていく、資産運用は分かっていても
新NISAを始めたばかりの方ですと、穏やかではないかもしれませんね。
投資運用は、価格変動が状態です。
大きく下げるからこそリバウンドも大きいと言えます。
2020年のコロナショックも、昨年4月のトランプ関税ショックも
大きな下げ局面でしたが都度リバウンドしています。
長いスパンで見ても、日本株も米株も下がっては戻しの繰り返しで、右肩上がりです。
原油高も過去の中東戦争時、ピークには意外に早く到達し、
株価には逆風となりましたがいずれは回復しています。
下図はフィディリティ投信のデータ「過去のホルムズ海峡危機」をもとに作成 したものです。
米国の投資家ジム・クレマー氏は、「ポケットに両手を入れておけ。」
混乱の時期には手を出さず静観していろ。と、言っております。
過去の暴落は全てチャンスだった。
過去の危機は、後から振り返れば絶好の買い場。
けれど、下値を探るよりは、淡々と積み立てを継続することで、
下値でも買いができています。
原油高はやがて落ち着くものと思われます。
しかし、その間に起きたインフレは、私たちの生活に残ります。
だからこそ、短期の価格変動に振り回されず、
じっくり構えることこそ、後悔を生まない投資行動。
インフレヘッジのためにも長期の視点で運用に向き合うことが重要です。