アンソロピック
「アンソロピックの株式は買えないのか。」お客様からの質問です。
テック企業のCEOはじめ、名だたる経営者がトランプ大統領に従順になびく中、
アンソロピックのアモデイ最高経営責任者(CEO)は大統領に明確にN0と言った人。
こんな気骨のあるCEOの会社を応援したいとのことです。
アンソロピック(Anthropic)は、オープンAIと並ぶ
有力な米国AI開発企業ですが、現在上場していませんので、
米国日本どちらの証券市場でも買うことができません。
アンソロピックのAI Claudeは、企業ばかりでなく、
米国の政府機関の多くが使用しています。
トランプ大統領は、「アンソロピックのAIを使うな!」と、
連邦政府機関による利用を事実上全面的に止めるよう指示しているとのことです。
アンソロピックは、AIの軍事利用をめぐり、政府との見解の違いが指摘されています。
アモディCEOは、米国防総省が求めるAIの幅広い軍事利用を拒み、交渉が決裂ました。
この対立は、AIの利用を巡る大きな問題です。
AIの利用をどのように考えるか
アンソロピックは、AI「Claude」の使用について次の2つを禁止しています。
① 軍事利用で、AIが人間の判断なしで攻撃するシステム
現状、AIは敵戦車・兵士を自動識別し、ドローンが群れで攻撃する技術は既に使われています。
今のところ最終判断はまだ人間が行っているようですが、
フィジカルAIの進化により、将来的にはこのプロセスが変わる可能性があります。
②AIが人権侵害に使われる可能性があるとして、市民監視への使用を拒否
しかし、政府側は「国家安全保障上必要」として反発しています。
トランプ政権は、「AIで中国に勝つ」「国家安全保障優先」の方針を示しています。
その結果、アンソロピックを「供給網リスク」に指定し利用の停止を命じました。
そのうえで、米軍と取引する企業にもアンソロピックとの商業活動を禁じるとのことです。
アンソロピックの矜持
アンソロピック(語源は人間・人類)は、アモデイ兄妹を含む、
元オープンAIの研究者7人で立ち上げた「安全性」と「倫理」を最優先する公益性企業です。
『この世界を、自分が生まれた時よりも少しでも良い場所にしてから去るべきだ』
ダニエラ・アモデイ
政権との決裂はアンソロピックの事業に大きな打撃となり、
「アンソロピックは存続の危機に陥る」と指摘する声もあります。
出資者であり、取引先のAmazon等がアンソロピックを切るような事態になるのか。
AIはまぎれもなく、戦争にも使えるのですね。
軍事研究者の間では、「戦争は既にAI化している」、「核兵器より危険」
「人間が判断する前に戦争が始まる可能性がある」とも言われ、「AI将軍」までいるようです。
オープンAIのChatGPT に、アンソロピック と政府の対立についてどう思うか尋ねました。
以下はその答えです。
AI業界では、3つの思想(AI哲学) が競い合っています。
① AI安全重視派(Anthropic型) AIは強すぎる技術なので慎重に開発すべき
② AI加速派(OpenAI・シリコンバレー主流) AIを早く作り社会に普及させるべき
③ AI自由派(イーロン・マスク思想) AIは少数企業に支配させてはいけない
ダリオ・アモデイ CEOは、AI安全派の代表的存在でかなり信念の強い人物です。
AIは電気やインターネットのようなインフラ・基盤技術になる可能性があります。
そのため最終的には、国家、巨大企業が主導する可能性が高いです。
ただし、アンソロピックのような思想のある企業は
AIの暴走を防ぐ重要な役割を持つと思います。
との、答えでした。
ひと口にAI企業と言っても、「AI企業にも思想がある」 なるほど。
OpenAIのChatGPTが “アンソロピックのような思想のある企業はAIの暴走を防ぐ”と
答えているのは、AIの未来を考えると意義深く思います。
「アンソロピックの株は買えないのか。」
“投資先の企業はどんな思想を持つのか” “どんな企業を応援したいのか”
そこを見て投資判断することも、投資家の矜持ではないでしょうか。