「消費税減税」政治家VS市場

 消費税減税の懸念

急に決まった衆議院選挙の公約は、与野党揃って「消費税減税」です。

唯一、チームみらいが「消費税減税より、現役世代の大きな負担となっている

社会保険料負担を下げることを優先すべき」と主張。

解散総選挙、各党の公約と同時に「消費税減税への懸念」が紙面を割いています。

見ているのが日経新聞なので、特別なのでしょうか。

・消費減税ポピュリズムに未来は託せぬ(1月21日)

・超長期債利回り急上昇 40年債、初の4%(1月21日)

・与野党公約、分配一色 乏しい財政配慮 金利上昇下、危機感薄く(1月23日)

・世界と市場を意識せよ(1月24日)

与野党の公約が目先の家計を支援する分配ばかりなのは果たして正解なのか。 

消費税は国と地方が負担する年金、医療、介護、子ども・子育て支援など

社会保障を支える安定財源です。年5兆円規模とされる減収分をどう補うのでしょう。

市場は、消費税ゼロの需要刺激はさらなる物価上昇に拍車をかけるとみて円安、

長期金利は上昇しています。

AIに「消費税減税で何が起きるか」を尋ねたところ下図のような回答でした。

消費税減税で何が起こるか《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

 「市場」の審判は

なかなかシビアな図で、与野党の公約している物価対策とは真逆の方向です。

財政不安の痛みの方がはるかに大きいようで、

「市場が見ている“現実”と、政治が語る“説明”が乖離している。」

政治の説明市場の反応《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

市場が見ているのは、

・国債残高の水準(GDP比200%超と世界最悪水準)

・金利が上がった時の耐久力(国債利払い費の増大や住宅ローン金利の上昇)

・将来、誰が国債を買ってくれるのか(日銀、生保は買い入れ縮小)

「今は大丈夫」ではなく、今後金利が(欧米並みに)正常化した後のことです。

市場(マーケット)とは、もう一つの意思表示の場「投票場」とも言えます。

日本を信用できる → 国債は安い金利でも買う。円の価値が高くなる。

不安がある → 高い金利を要求(金利上昇)。国債が売られる(価格は下落、金利は上昇)

市場参加者は国内だけではありません。

市場は感情や言葉を持ちません。

「価格」を示すだけです。

市場は評論家ではなく、値段をつけるマーケットであり商人です。

言葉は希望を語りますが、価格は本音を語ります。

市場は値段をつける店《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

このところの長期金利の上昇は、『この金利では買わない』というサインです。

円安は、日本は買いではなく、「売られている」ことの表れとも言えるでしょう。

財務省は、財政悪化への警戒を強めています。

10年後に政府の支払金利が2024年度の3倍に近づくとの試算もあります。

政治家の唱える「消費税減税」か、市場やAIの「財政への警戒」か。 

市場は、希望や思惑、選挙の票では動きません。あくまでシビアな商人です。

果たして今の日本に向けられているベクトルは、どちらがより強いのか。