ノイローゼになるくらいなら

「もうノイローゼになりそうで…」

104番の番号案内からの紹介ですと掛かってきた電話の主は83歳のご婦人です。

104の紹介?でどうして、平賀FP事務所がヒットしたのかは謎ですが、以前にも東京のFPを紹介して下さいで、104経由でウチにかかってきたことがありました。

 

私としてはちょっと嬉しい気持ちでしたが、掛け主は深刻でした。

持っている投資信託が毎日のように値下がりして心配で、どうしたらよいのか分からないとのことです。

「9日前は80万円プラスが出ていました。昨日聞いたときは30万円です。」

「私は年金暮らしで、今のお金が無くなると不安で・・・。」

 

電話越しにも、狼狽の様子が伝わりますが、

4年前に買った投資信託の、そもそも銘柄も、投資対象も分からないのです。

ただ毎月分配金が出ているとのことです。

 

「USリートファンドB為替ヘッジなしって、あります。」

「銀行も証券会社も今忙しいらしくて、電話に出てくれないのよ。」

 

この相場の変動ではお客も、販売側もパニック状態なのかもしれません。

色々話を伺い状況を判断すると、私なら今すぐ売ります。

理由は、この先上昇の見通しが難しく、年齢を考えると待つにしてもどのくらいかかるか分からないこと、お持ちの投資信託の管理も難しく、気を病むくらいならいと思われたからです。

 

1時間後、再び電話で「証券会社の人には、もう少し待ってはと言われましたが、

売りました。」とのことでした。

今売ると分配金と合わせトータルで15万円ほどのプラスになっているそうです。

分配金はずっと使わずに普通預金に残っているので、納得とのこと。

「誰かに売りなさいって言ってもらいたかったの。」

 

今日の顛末でした。

それにしても、83歳の自己責任云々よりも、 販売側にはモノ申したいことが一杯です。