積立王子がいなくなる・・

 積立王子更迭⁉

先週〝「積立王子」退任、事実上更迭か〟のニュースが金融業界を騒がせました。

「積立王子」ご存知ですか?

 

「積立王子」とは、

投資信託運用会社のセゾン投信の

中野晴啓会長のニックネームです。

 

中野氏は、ひふみ投信の藤野英人氏、コモンズ投信の渋沢健氏と共に

「草食投資隊」として、投資信託の長期積立てを推進しています。

弱肉強食の投資ではなく、草食動物のように仲間と一緒にゆっくりと草を食み

みんなが豊かになれる投資法、それが投資信託による長期分散積立てです。

NISA制度が始まるずっと以前から、投信の長期積立を啓発してきました。

投資信託を生成運用し、証券会社や銀行を通さず直接販売するのが直販会社です。

セゾン投信も、ひふみ投信、コモンズ投信もスタートは独立系直販会社でした。

ひふみ投信やコモンズ投信の販路拡大に比べ、セゾン投信は抑制的な印象を受けました。

 

直接販売と委託販売《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》

セゾン投信の旗艦ファンド「セゾン資産形成の達人ファンド」はSBI証券では、

確定拠出年金(DCとiDeCo)でしか買うことができません。

あくまでも60歳迄積立てが前提で、NISAの中では買えないのです。

因みに、「セゾン資産形成の達人ファンド」の5年平均リターンは9.73%

(23年4月1日現在:SBIベネフィットシステムズ企業年金資料より)、

10年連続で格付会社から優秀賞を受賞しています。

※「セゾン資産形成の達人ファンド」を推奨するものではありません。

中野会長退任の理由は、報道によると

〝顧客本位で堅実な積み立てを目指す中野氏に対し、

親会社クレディセゾンの林野会長がセゾン投信の投資信託の販売路拡大を主張し、

路線対立があった 〟とあります。

親会社にすれば、こんないいファンド販路を広げればもっと売れるじゃないか。

との思いは当然あります。

中野氏にすれば、直接販売だからこそ、

販売会社の恣意によらない顧客リターン重視の運用ができた、との想いが強い。

中野氏は長期積み立て投資を普及させた草分け的な存在で、

投資家からの信任も厚く、この退任を惜しむ声は少なくありません。

親会社の81歳の会長は、金融庁レポートにある

《資産運用会社の経営トップ資産運用経験年数》(「貯蓄から投資」でも設けているのは 参照)は、

経歴を見る限りなさそうなのですが・・。

 

 多すぎるファンドを整理

日本は公募投信だけをみても約6000本と言われ、粗製乱造された投信の一部は放置され、

金融庁からは投資家が不利益を被っていると指摘されています。

運用大手会社も見直しを迫られ、投資信託の整理を始めるようです。

「運用者として高品質の商品を提供する姿勢を示す」 某運用会社の弁です。

今更、と思いませんか。

投信購入者側に立つのではなく、販売会社側の意向に沿った商品提供でした。

「銀行に出向いて、何度説明を聞いてもよく分からないのです。」

お持ちの投信は5本のうち4本がマイナスで、どうしたらよいかのご相談です。

「3年前に1,000万円で買った投信がようやくプラスになったので売ろうと思うのですが、

NISAではないので、税金が。。。」

このところ、銀行で投信を買われた方のご相談が続きました。

・なんできちんと説明できない商品売るの?

・NISA口座、何故進めないの?

決して銀行を悪く言うつもりはありませんが、いつも販売側の都合ばかりが目につきます。

 

 長期運用の中で 

“長期投資は、現在ではなく未来のためにお金を働かすことなので、次世代に向けた贈り物。”

“投資は「利益を奪うもの」ではなく、本当の意味の投資は圧倒的に「与えるもの」” 

いずれも中野晴啓氏の言葉です。

「このままでは日本の若者が貧しくなってしまう。」の想いで、

中野氏はファンドを立ち上げ、積立が最も合理的な資産形成の手段と提唱してきました。

その積立王子が、会社側の論理で解任されるのは忸怩たる思いです。

金融庁は、2024年からのNISAを利用できる投資信託を選別しています。

2023年までの購入済みの投信でも、24年からは新たな買付けが出来ない投信もあります。

2024年からのNISA制度の詳細がまだ分からず、

皆様にも正確な情報をお伝え出来ずやきもきしております。

来年は、本当の意味での長期投資が叶うNISA元年、と思っています。

確定拠出年金・NISA口座を開くとき、どの金融機関にするのか。

企業型DC、iDeCo、NISAで、長期運用に耐えうるファンドを選ぶ目。

この2つはますます重要になって来ます。