奥田先生、33年ぶりに…

 33年ぶりの株高 

広島で主要7か国首脳会議G7サミットが開かれる中、

5月 19日の日経平均株価は3万0808円35銭と

1990年8月以来およそ33年ぶりの高値で引けました。 

33年前は1990年。

1989年の大納会に38,915円の最高値を付けた翌年以降

日本株は一度も38,915円を上回っていません。

33年ぶりの高値と言っても、89年の8割程度で一世代分位のブランクです。

でも、ここ数日のニュースを拾ってみても

・1~3月のGDP年率1.6%増、2年連続プラス

・半導体 対日投資2兆円超

・時価総額1兆円企業が最多の157社

・ 貿易収支赤字幅は前年同月比で半分に縮小 

明るいニュースが多いです。

・物価上昇と相まって労働賃金の上昇が今後も続くと見込まれ、

 デフレ脱却の道筋が見えて来た。

・東証主導とは言え、日本企業が変わり始めている。

・バフェット氏が日本株を買い増している。

海外投資家の関心は高く、株価上昇も外国人の買いが牽引しています。

最も、米欧の銀行不安やインフレで金利上昇が続き

株への投資妙味が薄れている欧米株に比べ、

投資先として消去法的に日本株が浮上との見方もあるようです。

ともあれ今度こそ、本当にバブル崩壊後の長いトンネル脱出となるよう願うばかりです。

 奥田先生 

 

「母港を持たない船はない」

 

 「何故会社から分捕らないのか」

 

  奥田先生の言葉を思い出します。

もう10年以上前になりますが、毎週金曜日の午後1時からは、奥田ゼミの日でした。

奥田ゼミは、元々さわかみ投信の社員向けの研修でしたが、

澤上社長のご好意で、さわかみ投信ファンド購入者にも開放して下さいました。

2時間の講義は、長引くのが常で5時頃になることも度々でした。

山一證券を経てシンクタンクの所長をされた奥田先生のゼミは、

日経新聞の解説から始まり、金融、経済の話しだけでなく、

難しい経済数理(私は付いていけませんでしたが)社会情勢や哲学等々、尽きることがありません。

奥田ゼミの10年間があったからこそ、今こうしてやっていられます。

本当に貴重であっという間の10年でした。

 

今でも新聞を開く度に分からないことがあると(その方が多いのですが)

奥田先生ならどう解説なさるかしら、

 

奥田先生の話しを聞きたいの想いは、ゼミ参加者の変わらぬ思いです。

奥田先生は、個人の株式投資(日本株です)の少なさに歯がゆい思いでした。

個人が投資家として株式を購入することは、

単に儲けや資産を増やすだけではなく、安定資金の供給者として企業を支える。

企業は投資された資金を有効に使い利益を上げそれを投資者と納税で社会に還元する。

日本企業が発展し力を増すことはイコール日本の国力の充実で、

経済大国としてだけではなく、

政治や防衛の安定に繋がり世界における地位や影響力も高まる。

だから、企業を育てなければ。

株式投資は選挙の投票と同じく、もう一つの個人の意思表示。

 個人投資家から選ばれる企業へ 

NTTは7月から、1株を25株に株式分割します。

分割により最低投資額は40万円から1万6000円程度になりそうです。

一挙に25分割、凄い決断!

個人投資家は日本株ではなく米国株に向かいます。

NTTはアップルやアマゾン並みの単価にすることで

小学生でも持つことができるようにしたいとのことです。

個人が日本株投資するにあたり、一番の問題は購入金額が高いことです。

ユニクロ(ファーストリテイリング)の株を買うのに300万円以上必要です。

来年からのNISAが動き出すと、個人投資家に目を向けた会社でなければ選ばれません。

NTTのような元官営企業でも変われるのですから、

他の企業だって、一段の変革が必須となるはずです。

米株のように誰でも望めば、お年玉程度で買える株式ならば、

企業にとってもフォロアーが増え、決してマイナスとはなりません。

バフェットさんの会社のように、小学生でも参加できる楽しい株主総会の会社が出てくるといいな。

「母港を持たない船」ではなく、港の整備を怠っては、船は入って来ません。

株主になれば、株式の値上がり益と、

配当金を自分が働く以外の「会社から分捕る」ことは誰にでもできます。

全ての人が「労働と資産からの2つの収益を持つ」

リタイアまでに道筋が付けば、安心老後となります。

初心者は、まずは確定拠出年金、NISAの投資信託を通して日本株投資です。

一人の力は小さくても、集まれば決して小さな力ではなく日本の風景が変わります。