債券は確実な投資先だろうか

 この物価の差は尋常じゃない

秋に向けて食料品、日用品の値上げが続く見込みです。

それでも、日本の物価上昇は米国に比べまだ穏やかなようで、

米国の値段って、ちょっと信じ難い。

ニューヨークの大戸屋のサバ塩定食は5,000円位。

一般的な保育園の費用は月千ドル(13万円位)を超える。

文系大学の授業料も年5万ドル(600万円以上)を超える。

月40万円のアルバイト料でも応募がない。

米国の物価上昇は、円安分を差し引いたとしても小さくないようです。

医療費だって1日入院すると1万ドルなんて聞くと、

コロナが終息したら気軽にハワイ旅行ともいかないかもしれません。

一方で、米国の強みは資産効果です。

米連邦準備制度理事会(FRB)によると、

米国の個人の金融資産は 2021年6月末時点 で約113兆ドル(1京2,800兆円)

一人当たりに換算すると3,800万円強です。

日本の個人金融資産はは 約2,000兆円で、一人当たり約1,600万円になります。

増え方も20年間で約3.3倍に増えたのに対し、同じ期間で日本は1.4倍です。

米国はいわゆる「格差」も大きく、平均で推し量ることはできませんが、

国民の半数以上が株式を持ち、401K(企業型確定拠出年金)や

IRA(個人の退職口座)での運用も概ね良好です。

 

 いずれも株式が勝る

今年は、株式相場にとって良い環境とは言えず、

日経225もS&P500も1月に付けた高値を回復出来ず、今後も乱高下が予想されます。

1年の短期間では両指数とも値動きが大きいのですが、

過去10年でみると上がり下がりはあるものの、日経225もS&P500も約3倍になっています。

日米の個人金融資産の差は、株式のもたらす資産効果の差です。

下図は、 バブル崩壊直前(1989年12月末)、ITバブル崩壊直前(2000年2月末)、

リマーンショック直前(2007年10月末)、コロナショック直前(2019年12月末)の高値から2021年末時点まで、毎月2万円を積立投資したらいくらになったのかを示したものです。

(出典:ニッセイ基礎研究所レポート

注目して欲しいのは、上位の3資産です。バブル崩直前からの積立投資では、

米国株式型は、768万円が6,046万円と、32年間で約7.8倍です。

外国株式型は、768万円が4,761万円

内外株式型は、768万円が2,733万円(国内株式50%、海外株式50%)

同様に、どの下落前の高値からの積立投資であっても、

上位3資産は不動の順位で全て投資額を大きく上回っています。コロナショック直前からの積立でも、

米国株式型は、48万円が69万円

外国株式型は、48万円が67万円

内外株式型は、48万円が62万円の結果です。

反対にブルー系とグリーン系のところは債券を組み入れたもので、

下位になるほど債券の比率が高く、国内債券型は100%国内債券による運用です。

こうしてみると、株式投資の優位性が際立つことが分かります。

 

 それでも株式が最高の投資先だ!(ジェレミー・シーゲル)

債券は、株式ほど変動が大きくなく確定利回りの安定資産で、

株式とは逆の値動きをするので、株式を持つうえでリスクヘッジになりますが、セオリーでした。

が、近年の金利低下で債券はその役割が果たせなくなってきました。

ジェレミー・シーゲル教授は著書の『株式投資』の中で、

1年2年の短期でみれば、確かに株式投資のリスクは長短債券より高いが、

保有期間10年を超えると、株式の最低利回りは長短債券より高くなる、と述べています。

 

20年保有すると、株式の実質利回りはインフレ率を上回り、インフレヘッジとなりますが、

長短債券の最低利回りはインフレ率を3%も下回っているのです。

日本は今のところ物価上昇率は2%台ですが、米国は9%、英国も10%のインフレに見舞われています。

今後の物価次第では欧米が懸念している物価高騰と景気後退(リセッション)

によるスタグフレーションに陥ることはないだろうか。。。

好物のサバ塩定食が5,000円もしたらどうしよう。

大切なのは、お金の実質価値をどう保つかです。

現状の債券は総じて金利が低く、今後金利が上がると価格は下がってしまいます。

個人の金融資産のポートフォリオに債券をどのくらい組み入れるかは、

年齢にもより異なり悩ましいところです。

1人では難しいという方はご相談下さい。

 

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