為替が及ぼす影響は大きい
「S&P500 一択でもよいですか。」
米国のS&P500指数に連動する投資信託はNISA口座で人気です。
それに比べ日本株に投資するファンドは敬遠されがちです。
米株が史上最高値を更新する中、日本株も奮闘しているのですが、
目にするのは圧倒的にS&P500が勝っていることを示す資料ばかりです。

下図は、S&P500 の2012年~2022年の過去10年間の推移を示したものです。
同じS&P500の値動きを示すチャートですが、
青は円換算ベース、赤はドルベース、緑は為替変動を抑えた円ヘッジベースのものです。

黄色は日本株インデックスTOPIXです。
赤のドルベースのS&P500 と比べると、大差ありません。
TOPIXが上回っている時期もあります。
米株も日本株も本来の収益率は、印象以上の大差でないことが分かります。
2021年以降、為替は急激に円安に向かいました。
2021年の100円台から見ると、現在のレートは1.4倍以上の円安です。

円安効果で米国株のパフォーマンスは日本株と比べ高い評価となります。
また、22年はS&P500は収益ベースで18.6%下落したのに対し、
円安のおかげで、円ベースでは約9.93%の下落で済みました。
外貨建て投資は、本来のパフォーマンス以上に為替の影響が大きかった。
S&P495対日本株
下図の青い線は、S&P5(S&P500ではありません)、
赤はS&P5以外のS&P495、黒はTOPIXで、
2010年から2020年までの10年間の推移です。
S&P5とは、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)
の巨大ハイテク企業です。

S&P500銘柄の内、GAFAMという
巨大テック企業の収益が及ぼす影響がいかに大きいかが分かります。
それ以外の495社は日本企業のパフォーマンスと変わりません。
近年は、GAFAMにエヌビディアとテスラを加えた
マグニフィセント・セブンが成長を牽引しています。
24年までの驚異的な成長はともかく、
今後もAIへの期待から上昇が予想されるセクターです。

米国株は円安と一部のハイテク企業という要因を除けば、
日本株のパフォーマンスと差ほど変わらない。
株式投資は、長期には預貯金や債券より大きなリターンをもたらしますが、
短期には値動きが大きくリスクが高いとされます。
投資先が集中すればするほど、ボラティリティ(価格変動)は高まります。
株式投資の分散、リスクを減らす意味でも、日本株投資は有効です。
第1に為替リスクを取らなくて済みます。
日本企業の業績向上に向けた取り組みやガバナンス改革、
株主重視の姿勢は海外投資家から投資先として注目されています。
何より、日本の産業はバランスが良いと思っています。
特定セクターに偏ることなく各産業群が経済を支えています。
「日本の技術がなければ最終製品が成立しない」分野が多数あります。
日本株、日本株投資信託はポートフォリオに外せないカテゴリーです。
これまで、米ドル資産を持たなかった機会損失は大きいと思われます。
が、これからは、国内への投資もより有効と思っています。
米ドル資産も、日本株もバランスよくです。
皆さまはいかがですか。
お分かり辛いことはお問合せ下さい。