公的年金は「社会保険」保障です
DCプランナー(企業年金総合プランナー)という資格があります。
公的年金、企業年金分野だけではなく、iDeCo(個人型確定拠出年金)、
投資運用やライフプランも加味した資格です。
9月に受験しましたが、自己採点の結果通りの点数で合格しました。
勉強で得た知識を生かして行きたいと思っております。
そのDCを勉強していて、日本の公的年金は凄いなぁ。。
(他の国の制度を良く知らないのですが)
改めて、日本の社会保障制度の充実には瞠目しました。
公的年金は終身年金
国民年金・厚生年金は、「社会保険」保障で、一生涯続く保障です。
第1の保障は、
老後生活の安泰を図る「老齢年金」です。
仮に国民年金の代わりに個人で準備すると、毎月1万6,540円(2020年度国民年金保険料)を20歳から60歳まで40年積立てると総額は約740万円になります。
掛金を掛けている間、年利3%で運用できたとして40年間で約1,497万円になります。
1,497万円を毎月の国民年金受給額相当の6万5,000円で割ると230ヵ月、20年弱で終了です。
65歳から受け取るとして、85歳まで持たない。
公的年金は、終身年金ですので100歳まで長生きしても支給は約束されています。
老後生活費は、枯渇しないことが最低最大の条件で、終身でもらえる年金は長寿に備える大きな安心材料です。
しかも、65歳と85歳のときの年金額は、同じではありません。
(縮小されてはいますが)物価スライドになっており、ひと月の年金額ではお米しか買えない!
なんてことにはなりません。
公的年金は、現役世代から受給世代への仕送り賦課方式だからインフレにも対応できるのです。
20歳から支給される「障害年金」
第2の保障は「障害年金」です。
障害は傷害と誤解されがちですが、糖尿病でも、要件に該当すると認定されます。
以下のような障害等級に該当すると「障害年金」は一生涯支給されます。(概略)
国民年金加入者が「障害等級1級」に認定されると、年間約97.7万円障害が回復しない限り受給できます。
厚生年金は、給料に比例する部分が加算されますので約144万円以上の額となります。
仮に、20歳のときに障害認定され、97.7万円を60年受け取ると総額5,862万円です。
不幸にして、「20歳前障害」となった場合は、保険料を納めていなくても20歳になれば受給できます。
障害年金に該当するような保険は民間では見当たりません。
「遺族年金」の支給要件に注意
第3の保障は、「遺族年金」です。
文字通り、生計維持者が死亡したときの遺族保障です。
国民年金の遺族基礎年金額は
令和2年4月から、781,700円+子の加算です。
遺族厚生年金は、ここに報酬比例分が乗ります。
ただし、公的年金加入期間25年未満の人は、20歳から現在の年齢までの間、保険料納付済み期間が2/3以上あること。
または、死亡日の属する月の前々月までの1年間に、保険料滞納期間がないことが条件となります。
今は、いずれかの条件を満たしていれば、遺族年金支給の条件を満たしますが、令和8年(2026年)4月以降は、
死亡1年前の保険料滞納要件が無くなります。
今からでも、きちんと年金保険料を納め2/3要件を満たさないと「遺族年金がもらえない」遺族が出かねません。
今回DCを勉強する中でどきりとしたことでした。
「遺族年金」に相当するような、生きている限り貰える死亡保障の民間保険もありません。
しかも、「障害年金」「遺族年金」は非課税です。
最大の投資先「公的年金」
公的年金は、正に
「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」が三位一体となった
社会保険です。
「投資」が将来の利益を期待したものであるなら、
「公的年金」は最大の投資先との見方もできます。
投ずる費用(掛金)に対する効果で
「公的年金」以上に確実な投資先があるでしょうか。