一夜にして大儲けをすることはできないが

NISA積み立て6年の結果は

先日、毎月NISA積立で3本の投資信託を買って頂いているお客様から、嬉しいメールを頂きました。

❝NISAを6年間続けたところ運用益は100万円弱となり、思っていた以上に纏まったお金ができていました。❞

とのことで、この方のメールが沁みるので、ご紹介します。

❝自分で作った纏まったお金というのは不思議なもので、崩して使おうという気を簡単には起こさせない「強固さ」があるので、資産形成がますます盤石なものになるという強みがあるように思います。

 

元金をコツコツ投資し、元金の成長と複利をテコにして果実も徐々に大きくしていく。今回は時間の作用の大きさを知りました。時間という要素は資産形成において本当に大事ですね。

 

今の悩みはNISAの枠が一杯になったので、売却して再投資するか、保有し続けるかというところです。それ以外は悩みなく、安心して見守っております。❞

 

「一般NISA」なので昨年、2016年から始められた積み立て分をロールオーバーされました。ロールオーバーとは、「一般NISA」口座の延長です。預け入れから5年経つ毎に、NISA口座に預けるか、それとも課税口座に移すかの選択を迫られます。

ロールオーバーすると「一般NISA」の上限120万円枠から、預け替え分を使ったことになりますので、NISA枠はその分少なくなります。と、結構手間と悩ましい制度になってしまいました。

投資運用を継続するとは、正にこの感覚なのです。6年ちょっとで、この域に達するなんて敬服です。

 

100万円貯めるのに何年かかるか

例えば1万円増えても、10万円増えても、増えていることに違いはありませんが、それが100万円増えたとなると違った感覚が生まれます。

 

毎月1万円貯金しても100万円貯まるまでには100ヵ月、8年3か月を要します。いざ100万円を貯めようとすると大変ですよね。それが、毎月1万円の積立をしなくても6年で100万円も増えたらどうですか。

元利合計100万円ではありません。増えた分だけで100万円です。コツコツと積立投資の結果がもたらしたおまけです。

下の図は金融庁のシミュレーションです。

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

毎月10万円の積立では、元本720万円、運用収益104.8万円、最終積立て金額は8,248,083円です。4.5%運用では6年間で100万円以上増えています。

正に、❝元金をコツコツ投資し、元金の成長と複利をテコにして❞です。

毎月10万円でなくても、毎月1万円の積立でも4.5%運用の結果は同じような増え方です。けれど、毎月1万円の積立でもやらないことにはおまけは付きません。

 

10年前の手数料の高い投資信託でも

「つみたてNISA」が出来たのを契機に、投資信託は購入時に手数料がかからない、信託報酬(手数料)の安い投資信託が続々登場しました。

米国株に投資するS&P500や、世界中の株式に投資する世界株ファンドも5年前は今のような割安手数料ではありませんでした。

「確定拠出年金」が生まれた2001年頃の投資信託は、信託報酬が1%以上のものが当たり前でした。その頃「企業型DC」を導入した会社が、手数料の安い投信との入れ替え、銘柄の追加をしているかと言えばそうでもありません。

信託報酬の高い投資信託でも、10年積み立てを継続していると、満足のいく増え方運用成績となり、現状増えている投信から新たなものに乗り換えるインセンティブは働きづらいのです。

100万円単位で増えてくると、もうその投資信託をやめる理由はありません。

信託報酬が高かろうが、他にもっと良さそうな投信があったとしてもです。

これは理屈ではなく、運用を継続している人にしか分からない感覚です。

信託報酬の高い、購入時に販売手数料のかかる投信を今も買い続けている方、少なくありません。保険料の一部を投資信託で運用する「変額保険」を通して運用をなさっている方もしかりです。

「変額保険」は、保障に掛かる費用や保険会社の管理コストは投資信託の比ではありません。それでも、100万円単位で増えていると、保険はやめて、コストの安い投資信託に移ろうとはなりません。

自分で作った纏まったお金というのは不思議なもので、崩して使おうという気を簡単には起こさせない「強固さ」があるのです。

正に正に、この方の言われる通りなのです。

 

運用成功の秘訣は継続 継続 継続

100万円単位で増えて来ると、今自分のしていることに自信が持てると同時に資産を増やしてくれている運用先(投資信託)に「ありがとう。」の気持ちが湧いてくるのかも知れません。

iDeCoやNISAの投資運用を始めるとき、どの投資信託を選ぶか、いつから始めたらよいのか、どんなポートフォリオがベストなのか。できるだけ手数料の安い投信を選びたい。いろいろ悩むかも知れませんが、良い結果を生む最大の要素は、「投資運用において一番大切なのは継続すること」です。

❝時間という要素は資産形成において本当に大事ですね。❞

はい、投資運用の成否はいかに「時間を味方に付ける」かにつきます。

投資家の95%はただただ一夜にして大儲けすることしか頭にない。

すぐにお金持ちになるのは簡単なことではないが、ゆっくりお金持ちになるのは、簡単で誰にでもできることです。

<ウォーレン・バフェットの言葉>