プロスペクト理論によると

帚木蓬生(ははぎほうせい)氏は大好きな小説家の一人です。

精神科医でもあり、医学に関する著書も多い中で、私の一押しは

邪馬台国の卑弥呼は日御子が正当な表記、と古代の日本をめぐる「日御子」です。

物語は、あずみ(通訳)一族が、卑弥呼に贈られた金印

「倭奴国王」の「奴」という表記が「那」ではなく「奴」とされたことについて、

何代にも渡り漢・唐に修正を求める外交交渉が縦糸です。

「日御子」を「卑弥呼」に「那国」を「奴国」と記す、

大国の蔑みに挑んだ古代人の想いに打たれます。

 刺激的ですが

帚木氏の文章に久しぶりに出会いました。

(1)遠い将来の損失が見込まれても、近い将来の利益を求める。

(2)刺激を追求して、よりリスクのある選択肢を選ぶ。

(3)結果の重大性と実現性を適切に評価できない。

(4)予想と結果の誤差に関係なく、より刺激のある行動に固執する。

ギャンブル症の行動の特徴だそうですが、

仕事脳の私は、スワ投資に対する戒め、と思ってしまいました。

「投資信託なんて、そんな退屈なことよくやるねぇ。」

NISAのつみたて枠でも株式が買えないのかとの質問です。

あっ、決して、投資をギャンブルにしている方ではありません。

確かに投資信託や積立は短期には大きな儲けにはなりません。

投資信託は、複数の銘柄に分散する分値上がり局面でも利益が薄まりますが、

下落時はマイルドです。

積立ては、投資時間の分散ですので、予想の当たりはずれも、極端な高値掴みもありません。

その代り安値を見逃すことなく買うことができます。

YouTubeを見ていると、

<私の言うとおりにすれば、株式投資なんて簡単です。つみたてNISAだけでは、・・>

みたいなフレーズやCMを目にします。

株式投資で何億という資産を作ったカリスマやレジェンドも出ていて結構刺激的です。

 プロスペクト理論

「結構凄いかも。」

2019年から6年弱、毎月3本の投資信託をそれぞれ1,000円つみたてNISAで買付けされていた方。

投資元金20万円そこそこですが、なんと9万円以上のプラスでもうすぐ30万円に届きます。

個人型確定拠出年金iDeCoの掛金5,000円も同じような成績です。

「こんなに見ていない人っていない。(笑)」

4年前にNISA口座を開設されてから、ほとんどログインしていないとのことですが、

〇〇〇万円プラスになっているのを確認頂き、「えっ、凄いね。」

お二人とも仕事が忙しく、

NISA口座は開設したものの最初に設定された積立金額のままで過ぎてしまいました。

「なるべくリスクの少ないもので」

確定拠出年金のご案内では、たいていの方が仰います。

株式も投資も運用も、言葉でしか聞いたことがなく、始めるのですから当たり前です。

マイナスの表記を見ると、動揺するのも致し方ありません。

損失額と利益を比べると、心理的には損失の方をより大きく評価します。

同じ100万円でも利益の喜びよりは、損失の痛みの方が倍以上大きく感じる。

《プロスペクト理論》

 長続きのコツ

決して投資に刺激を求めるなとか、

投資信託の積立てを最上と奨励するものではありません。

株式投資は意義のあることですし、面白みも利得の機会も大きいです。

ただ、刺激を追求して、よりリスクのある選択肢を選ぶ。

予想と結果の誤差に関係なく、より刺激のある行動に固執する。

投資にはこんな罠が内在していることも事実です。

帚木氏によると、

行為の反復によって形成された脳はそう簡単には元通りにはならないということです。

先の、毎月3千円積立ての方は、3万円積立てに変更されました。

投資初心者の方には、少額から始めて慣れて来たなら増やして下さいとお願いしています。

結局は長続きのコツと信じております。

日々気にして見ているよりは、ログインを忘れるくらいでもよいのです。