先週からNISA口座のロールオーバーのご案内をしております。
今は世界中の株式も債券も下がっていますが、このまま継続しま~す。
みなさん、運用巧者になられました。嬉しい!
今こそ、辛抱強く運用継続のときです。理由は・・・
じわりとインフレの足音
9月の消費者物価指数は、31年ぶりに 前年同月比3.0%の上昇となりました。
日本は3%の上昇ですが、米欧は8%超のインフレ。(◎_◎;)
仮に、毎年2%の物価上昇が続くと、
今の100万円は10年後、約82万円の価値しかありません。
20年続くと、100万円の価値は1/3も減ってしまう。
失われた30年と言われ、長く続いたデフレも潮目が変わり、
じわりとインフレ懸念が広がり始めたようです。
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日銀は、長く物価上昇率2%を目標にしており、その意味では好ましい状況かもしれませんが、
問題はインフレ率を上回るだけの賃金上昇となるかどうかです。
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この30年間信じられないくらい日本の賃金は増えるどころか減っていて、米国のほぼ半分、2015年には韓国に抜かれています。
賃金が上がらず、物価も横這いですが、手取り収入は減っています。
主な要因は、社会保険料の上昇です。
厚生年金保険料率13.5%→18.30%、
協会健保保険料は8%から10%です。
「企業型確定拠出年金」を導入頂きました企業様に義務図けられている
投資教育のテキストを2年ぶりに改訂しております。
驚いたことに無職年金世帯の家計支出が大幅に減っているのです。
![年金世帯の支出《平賀ファイナンシャルサービシズ(株)》](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=671x10000:format=jpg/path/s0ce7be6b61cdaab8/image/i1ae4917662fc5c37/version/1667461996/%E5%B9%B4%E9%87%91%E4%B8%96%E5%B8%AF%E3%81%AE%E6%94%AF%E5%87%BA-%E5%B9%B3%E8%B3%80%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B7%E3%82%BA-%E6%A0%AA.jpg)
老後資金2000万円足りない問題の根拠となったのが、2017年の家計調査です。
夫婦世帯の支出がざっくり27万円なのに対して、年金受給額は約22万円、
差し引きで月額5万円足りない。30年超では約2000万円になります。
ところが、2021年の家計調査では2017年と比べ、夫婦世帯の支出が6,604円も少ない。
項目では、交際費、交通・通信費、教養・娯楽費が減っています。
増えているのが住居費と、税・社会保険料です。
単身世帯では、4年前と比べ税・社会保険料は同じですが、
支出はほぼ全ての項目で減って総額で15,882円減と、節約の跡が見えます。
インフレと金利上昇
このままインフレが進むとどうなるのだろう。
年金生活者は、
インフレ進行で実質価値の下がって行く預貯金を取崩す辛い状況となるのでしょうか。
物価が上がると、中央銀行はインフレを抑えようと金利を上げ、引き締めを図ります。
今、各国で行われている金融政策です。
日本だけが、金融緩和を続け10年長期国債金利を0.25%に抑えています。
ただし、日本も日銀黒田総裁が来年4月に代わると、
いずれ金利引き上げの観測も出ています。そうなると
変動金利の住宅ローンも金利が跳ね上がり、返済金額が増えます。
金利が上昇すると、0.25%だった既発国債の価格は下がり、
長期国債を保有する銀行や生保に巨額の損失が発生しかねません。
国債は国の借金ですので、金利が上がると国の利息返済額も膨らみます。
税金の使い道の半分は借金返済なんてならないだろうか。。。
インフレは、特に日本の場合、悪い金利上昇を伴います。
日米の金利差が開き円安が進んでも、日本は簡単には金利を引き上げられない。
金利がすぐに上昇するわけでもないと思いますが、
日本の財政が金利上昇にますます脆弱になっていることに注意が必要では。
アセットアロケーションの見直し
今こそ、辛抱強く運用を継続すべき理由は、
預貯金では将来的にお金の価値が減ってしまうからです。
今の運用状況は決して良いものではありません。
iDeCoやNISAにある運用資金は年初に比べ減っていると思います。
だからと言って、運用を止めて全て預貯金に戻すのはどうでしょうか。
・キャッシュポジションを高めることは賛成です。
・下がっている株式(投資信託も)を今売却することは慎重にします。
・債券(投資信託も)投資は、今は様子を見ます。
今のうちに、変動金利住宅ローンの借り換え、繰り上げ返済を検討するはありです。
固定金利の住宅ローン等の長期金利は、短期金利の先回りで上がってしまいます。
ローン(借金)は十分検討・見直し、それから
お金の預け先、アセットアロケーション(資産配分)をどうするかです。
全ての資産の預け先は預貯金だけ、あるいは株式だけ、国内資産だけでは、
一方的な流れとなった時に大きく棄損しかねません。
アセットアロケーションを組むとは、
どんな状況になっても柔軟に対応できるようにしておくことです。
急激なインフレ、スタグフレーション(景気後退下のインフレーション)が
来たとしても状況はみな一緒です。
少しでも、サバイバルの準備が出来ているかどうかです。
不安定な状況、潮目が変わりそうな時こそ、
お金の置き場所、アセットアロケーションを点検すべき時期です。
お分かり辛いことがありましたなら、ご相談下さい。