コロナの影響で公的年金は
2019年度(2019年4月~2020年3月末)8兆2831億円の赤字です。
新聞の見出しだけをみると、私の年金大丈夫と不安になりますが、
総資産約150兆円のうちの8兆円なので
全体に占める割合は約5%の下落ですので、大丈夫です。
https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html
永遠に下がるはずはなく、上がったり下がったりの繰り返しですが、
公的年金の総資産は運用により確実に増えています。
残念なのは、上がったことはニュースにはならないようで、
下がったニュースの方が沢山報じられると、
どうしても印象は「下がっている、年金大丈夫かな」となります。

日銀資金循環統計によると、丁度同じ時期3月には
預貯金残高が増え続け、1000兆円の大台に達した。
公的年金の総資産約150兆円に対し、
預貯金残高は1000兆円!ですよ。
預貯金の方が安心、と投資信託などのリスク資産から
銀行預金にお金が移ったことが読み取れます。

「企業型確定拠出年金」のポートフォリでみても、 50%以上が預貯金と保険で、
株式型ファンドは国内 株式型、外国株式型を合わせても、わずか 22%です。
「確定拠出年金」は、
自分が働いて収入を得ることが難しくなったときのためのもの、
公的年金の補完としての積立てです。
長く積立てるお金の預け先が0.01%位の利息しか付かないところで本当に良いのでしょうか。

元本確保型以外の預け先は、1年後、増えていると喜んだのもつかの間2年目は大きなマイナスに、10年経って、100万円増え嬉しいと思っても、次の瞬間増加額は50万円になることも。上がったり、下がったりの繰り返しです。
でも、公的年金の運用先は何故、預貯金ではないのでしょう。
「公的年金」も「確定拠出年金」も今すぐ儲けるためのものではありません。
60歳、65歳と息の長い積立てなので、途中は上がろうが下ろうが気に留める必要はありません。
ゴールのときにきちんと増えていれば良いのです。
それまでの間は、ひたすら投資運用の勉強の期間と思って下さい。
投資成功のカギは、2つです。
ひとつは、如何にマイナスの顔を多く見るかです。
スポーツでもなんでも、何度も負けたり失敗しながらも、
絶え間なく続けているからこそ上達し、出来るようになるのですよね。
負けを知ること、負けから学ぶことは少なくありません。
運用においてマイナスは悪いことでも、失敗でもなく通過点、過程です。
マイナスの期間、積立を継続することが後々大きなプラスをもたらします。
「確定拠出年金」は積立ですので、機会を狙った投機的な売買は出来ませんし、ギャンブル性の高い運用商品も含まれていません。60歳までは、ただただ積み立てを継続するだけです。
私が今まで見てきた限りでは、積立期間15年以上であれば、元本確保型以外の、どんな投資信託を選んだとしても全て、定期預金以上のプラスの結果となっていました。
ただし、ゴール(60歳または65歳)5年前くらい前からは、今まで増えた分が減らないように徐々に、株式主体のポートフォリオから、国内債券や定期預金に運用商品を移して行きます。
あるいは、積立期間が15年以下で、結果が思わしくないのであれば、60歳(65歳)時点受け取るのではなく、積立を継続することも、受け取る時期を少し延ばすことも出来ます。
2022年5月からは「個人型iDeCo」は65歳まで、「企業型DC」は70歳まで加入を継続することが出来るようになります。
※現状65歳で、70歳とするときは規約の変更が必要です。
投資成功の2つ目のカギは、
なるべく、出来る限り長く積み立てを継続することです。