韓国の若者に「これからの韓国を支える産業は何ですか」の問いかけに、
「半導体とエンターテインメント」と、即座に答えが返ってきたそうです。
なるほど、サムスン電子もKポップも韓流コンテンツも強い。
日本なら「自動車産業とアニメ、ゲーム」と言ったところでしょうか。

映画『国宝』は、週を追うごとに観客動員数が
増えているようです。
長い年月を経て磨かれた歌舞伎という舞台芸術を、
映像でしか味わえない別の至高の作品に仕上げ、
美しい映像と共にストーリーに没入させ、
多くの人を魅了し
感動をもたらしたのではないでしょうか。
歌舞伎の深淵さと、日本映画の素晴らしさに気づかされた作品でした。
日本のエンターテインメントだって、次代を担う重要な産業になりうる。
消費税とは
今回の参議院選挙では、消費税の減税、消費税廃止を訴える政党がほとんどです。
本当に消費税廃止でよいのでしょうか。
廃止すると、本当に手取り収入が増え物価高対策になるのでしょうか。
消費税は、商品やサービスを買うときにかかる税金で、
1989年に日本で初めて導入されました。

2025年の予算で見ると、消費税は24.9兆円と、
所得税・法人税より大きな財源です。
所得税・法人税は直接税なのに対し、
消費税は自身でコントロールできる間接税です。
景気の変動を受けにくく、
応分の負担となる公平性の高い税金と言われます。
歳入総額のうち25年単年度だけでも、
どの税収よりも大きいのが公債費(借金)の28.6兆円で、ここがないと日本の財政は回らない。
一番大きな財源である消費税を一時的でも廃止や減税すると影響は少なくないはず。
消費税は社会保障財源
税収の約3割を占める消費税は社会保障(年金・医療・介護)の安定財源ですが、
現状の消費税収では、社会保障費を賄えていません。
社会保障の経費は34兆円ほどで、消費税収24.9兆円のうち
自治体に渡す分を除くと20.1兆円で、13.9兆円の不足です。

社会保障の財源は、約6割が保険料、公費(税金)が4割です。

社会保障の財源には、保険料のほか多額の「公費」が使われており、
国の歳出の33.5%は社会保険関係費です。

社会保障費は今後も増加が見込まれています。
社会保障の財源の多くは消費税ですが、その消費税だけでも足りないのです。
減税よりも感動を生むものを
仮に消費税を廃止や減税したとして、代替となる財源は何処に求めるのでしょうか。
所得税・法人税の増税。
それが出来なければ、年金・医療・介護保険料の負担増でしょうか。
それとも社会保障の大幅なカットでしょうか。
限られたパイの中でのゼロサムゲームでどこかを減らせば、
どこかにしわ寄せが行きます。
物価高対策を謳う中で所得税増税はあり得ない。
「物価上昇を上回る賃金上昇を目指す」は、民間企業の取り組みです。
どんな支援ができるのかを具体的に示すべきです。
法人税増税では、賃金は上がらない。
甘い言葉で票を取り行くのではなく、
現実を見据えた持続可能な政策を真摯に提示し、
困難な課題に一緒に取り組んでと、呼びかけられないものか。
「これからの日本を支える産業は何ですか。」
この問いに答えがない限り、全ての課題に光明はありません。
感動を生む製品、サービス、コンテンツ、今まで日本は作ってきましたよね。