賃上げでは追い付かない

互いに思いやる国王と国民

昨年に続き今年のゴールデンウイークもコロナ禍の自粛の中です。去年の今頃、何をしていたのかな。

手帳をめくってみても、連休中は空白で誰と会うこともなく、出かけてもいなかったようです。

人の幸せはコミュニティへの貢献から始まる。ーアドラー心理学ー

新聞で気になる文章や記述があるとメモをしておくので、去年はこんな一文が目に留まったようです。

ブータン

5月1日の日経新聞に「国王はすべての対象者が安全に接種を受けた後にワクチンの接種を受ける考えだ」とありました。どこの国の国王かというと、ブータン王国です。なんと、成人の9割、全人口の6割に当たる人が1回目の接種を終えているそうです。

 

医師でもあるブータンのツェリン首相は早くからワクチン接種に動き、国民も国王が国民ファーストの考えを示したため、 地域社会だけでなく国王を守るためにも積極的に接種を受けているようです。

接種率9割の数字の意味が分かりました。国王も、国民も❝人の幸せはコミュニティへの貢献❞ですね。

昇給率2%に対し、株式の上昇率は

前回のブログ、今改めて注目すべきr>g について、の続きです。

厚生労働省のホームページによると、令和2年の賃上げ率は2.00%で昨年と比較して0.18ポイント減少し、 平均妥結額は6,286円です。

ただし、賃上げ率2%は大企業で、中小企業は1.8%位、業種によっては賃上げより雇用の維持が優先のようです。個人事業主や士業の平均ではありません。

1年働いて上がったお給料は2%です。

ところで、2020年1月6日の日経平均終値は23,204円、同年12月30日の終値は27,444円で、年初からの上昇率は約18%です。昨年3月はコロナショックで、日経平均は一時16,552円まで下げましたが、今年の4月30日の終値28,812円でみると、実に1.7倍の上昇です。

左の図は過去5年間の日経平均株価と米国株価指数S&P500の値動きです。

 

どちらも上がり下がりはあるものの5年後 日経平均は約1.8倍に、S&P500は2倍になっています。

 

5年で2倍とは年率20%のリターンがあるということです。この5年は特別としても、過去の統計では株式からの収益率は年4~5%は見込めます。サラリーマンの給料は年4%も上がりませんよね。

 

労働による賃金の上昇率(g)と、株式からの収益率を(r)を比べると、株式からの収益比率の方が高い。

2019年からは消費税が2%上がり、税率が10%となりました。

 

所得の伸び率より物価上昇の方が大きかった

2020年の消費者物価は1.8%の上昇で、日銀の見通しより上昇率は高かったようです。

インフレ(物価上昇)率1.8%と消費税2%への引き上げで2020年は合計3.8%も出ていくお金が増えたことになります。賃金の伸び率2%では、物価上昇に追いつけません。

賃金(g)がかつてのように伸びないとなれば、資産からの収益(r)にもっと注目すべきです。

 

確定拠出年金1年後の結果は

昨年「企業型確定拠出年金」を導入頂い会社の社長さんから1年経ったよ~、と取引明細が届きました。

拠出金は「企業型」の上限一杯の月額55,000円ですので、拠出金累計(掛金)年額660,000円です。資産残高(時価評価額)が767,440円、損益額がプラス107,440円となっています。

1年後107,440円のプラスと言うことは、拠出金660,000円に対して約16%増えたことになります。最初の月に66万円を一括で拠出したのではありませんから、最後の月の掛金5.5万円は拠出後1ヵ月しか経っていません。

現時点だけを捉えて云々ではありませんが、労働によらない収益(r)は現実にあり得ることです。

(r)からの収入を得る。確定拠出年金やNISAを使った「株式投資信託」積立てなら誰でもすぐに始められます。その成果は米国の401K加入者や英国のISA(日本のNISAのお手本)加入者が既に証明しています。

ただし、(r)からの収益は一朝一夕ではないので、学習しながら少しずつ慣れなければならないのです。

前述のブータンは「幸せの国」として、国民幸福度の高い国として知られています。経済の規模や成長率だけで幸福度は計れませんが、平均寿命が63.36歳(WHO資料より)と日本とは異なります。平均寿命の長い私たちはより経済的な備えが必要なのは間違いないようです。