「また掛かってきたわよ。
今度は、あなたの名前を言って。」
「うちの子とは、さっき話したばかりです。
あなたは誰なの?」って言ったら、すぐにガチャンよ。
87歳で一人暮らしの義母の元には時折、
息子と称する輩から、電話が掛かってきます。
特殊詐欺被害、相変わらず多いですね。
“母さん、今高速で事故ったんだ、・・・それで助けて。”
「うちの○○はそんな所には行きません。あなたは誰なの。」
ガチャン。
“母さん、オレだけんど(甲州弁で)実は・・・”
「それが、どうしたの? 母さんは助けてやれませんよ。」
ガチャン。
最初は怖がり、気味が悪いと言っていた義母も、
最近では慣れっこで、 むしろ楽しんいる様子?
「この辺は未亡人村で、みんな電話掛かってきてますよ。」
「騙されちゃう人もいるのかね・・・。」
ニュースで、
“特殊詐欺被害額、昨年1年間で、過去最高の559億円”と、
聞いても、全く現実味がありません。
“確かこの前の「イスラム国」からの人質の身代金が、200億円だったから・・・、
その倍以上”なんて、無理くり、559億円の大きさを測ろうとしてしまいます。
警視庁ホームページによると、
特殊詐欺被害の中でも、いわゆる「オレオレ詐欺」が一番多く、
1000万円以上の被害だけでも86件あり、最高額はなんと2億円!。
被害を水際で防ごうと、
様々な取り組みがされておりますが、減る気配がありません。
なんで、騙されちゃうの?
オレの声が分からないの?
そんな大金、取られるなんて・・・
家族が、後で悔しがっても始まりません。
人は、冷静になれば分かることでも、
状況によっては、誰でも騙されるのです。
では、騙されないためにはどうすればよいのか。
方法は2つです。
ひとつは、家族側の問題です。
・ お金の話は、どんなに困っていても電話でなんかしないよ。
・ 一人で頑張ってるお袋にお金の無心なんてあり得ない。
・ 何かあったら、電話してね。
騙される人(圧倒的に60代以上の善良な高齢者)ではありません。
“そんな大金、何処にあったんだよ。” と、
後悔したくなかったら、
常日頃、離れて暮らしている親、祖父母と、コミュニケーションしておくことです。
2つ目は、お金をすぐに渡せないところに置いておく。
タンス預金はすぐ渡せますよね。
銀行の定期預金も窓口ですぐに解約でき、下ろせます。
証券会社に置いておく、お金はすぐに現金化できません。
株式や投資信託は売却から手元に受け取るまで最低4営業日かかります。
MMFは売却の翌営業日にMRFに入り、それから引き出しです。
お金をすぐに渡せないところに置いておけば、冷静になる時間ができます。
“MMFを解約するよ。銀行に振り込まれるのは来週だよ。”
“株を売るよ。売れたらお前の携帯にこちらから連絡するからね。”
日本人の家計のお金は大半が銀行にあり、次いで多いのが生命保険会社です。
証券会社の利用は圧倒的に少なく、一部の人に限られているのが現状のようです。
証券会社はよく分からない、危なっかしいモノを売っている所で、
追いやってしまうのは、残念ですし、もったいない限りです。
そうは言うものの、
すわ、株式を買いましょうでは、
車の免許を取り、いきなり高速を走るようなもの。
証券会社はMRFやMMFのような、
確定利回り商品だけの利用も十分可能です。
特殊詐欺被害予防のためにも、まずは、
お金をすぐに下ろせない金融機関、
証券会社に口座を開き、MMFに移してみるのも手です。
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